<登場人物>
エドガー・ラルティーン | エティナ・グレース |
舞台は西暦4271年。もはや西暦という言葉の語源すら知られなくなった時代でも、人々は年輪を刻み続けている――。
古びたトラックがデロメア・テクニカの大地を走っていた。
ディーゼル車特有のエンジン音があたりに響いている。
5年ほど前にレオパルド・コーポレーションが販売した販売したモデルだ。車体の色はクリーム色で、正面に丸いライトが2つついている。1900年代にヤンマーから販売されていた、ポニーという軽自動車によく似ている。
「なあティナ、ディーゼル車って何でこんなにうるさいか知ってる?」
運転席の少年が助手席の方を向いて言った。緑色の髪に丸メガネ。一度見たら忘れない顔だ。
「知らない、エドガーの運転が下手くそだからじゃない?」
助手席の女性は黒い髪をおさえて手元の書類に目を通しながら、緑髪の少年エドガーの質問に答えると、アシストグリップのあたりに取り付けた文房具箱からペンを取り出して書類に何か書き込んだ。
「違うって、ディーゼル車もガソリン車も燃料を燃やしてピストンを動かしてるのは知ってるだろ?その燃料を燃やす燃料室の圧力がガソリン車より高いからなんだよな。俺の運転はそんなに下手じゃないだろ?」
「そうかしら、結構揺れてるんだけど」
「地面が悪いよ地面が~」
エドガーは笑いながらハンドルを右に左に小刻みに切った。
「いまのハンドリング必要?」
「ティナは冷静だなー。楽しいときってスキップしちゃうだろ。それを車で表現してみたんだ」
「余計なことやめてね。それに前見ながら運転しないと事故するわよ」
「到着ー!」
「聞いてないし」
エドガーは急ブレーキで車を停めると、運転席からさっそうと降りて荷台の方へ向かう。トラックの正面には木造の小さな家が建っていた。彼らの目的地はこの家だ。
エドガーとエティナはデモリューションという組織でなんでも屋をしている。どうしてなんでも屋が必要かというと、世界の絆が失われたからだ。4270年代の地球は、人間と復元者という2つの種族に分断された世界で、その間で絶え間なく戦争が行われていた。人々は隣人のことが信じられなくなっている。
そんな世界の中で、エドガーとエティナは人々に便利を届けるために配達、買い出し、設備の修理までなんでも請け負う。
この日は配達を頼まれていたところだ。だからエドガーはトラックの荷台から荷物を取って、家に運ばなければいけない。だが。
「あっれー!荷台に積んでた荷物がない。カラスに取られた?」
「ちょっと、落ちたんじゃないの?!」
エティナが慌てて後ろを荷台を見やる。もぬけの殻だ。彼女は小走りでトラックの轍へ近づき、目をすぼめて自分たちが今まで通ってきた道を眺める。するとさきほどエドガーがハンドルを切ったあたりに箱詰めされた荷物が転がっていた。
「エドガー」
エティナはちょいちょいと手招きをしながら、猫なで声でエドガーを呼ぶ。
「とってきて♪」
エドガーは背筋に冷たいものを感じ、反射的に走って荷物を取りに行った。トラックで取りに行けばよかったと気づいたのは往復してからだ。その間エティナは車内で口紅を塗ったり、髪を整えたり、挨拶の練習をしたりしていた。
こうしてなぜか汗びっしょりの男性が1人と、百貨店の受付にいそうな清潔感ある女性のコンビができあがった。
「さて、行くわよ」
エティナは家のドアに掛けられた鐘を鳴らした。
ドアが半分だけ空いて、家の主であろう女性が顔を覗かせた。
20くらいだろうか。女性は捨てられた子犬のような表情でエティナを見てくた。見ている方が申し訳なくなるくらいに、縮こまっている。
「おまたせしました!デモリューションのなんでも屋です。遅くなってしまってすみません、頼まれていたお荷物を運んできました」
エティナは元気よく挨拶した。相手によって対応を変えないプロの仕事だ。
女性は警戒心を解くことなく、ボソボソと喋った。
「荷物は?」
「こちらにあります。大変申し訳無いのですが、運転手の運転が下手で、箱を色んな所にぶつけてしまったみたいで。もしよろしければ箱の中身を一緒に確認させていただいて、壊れていたら同じものを弁償させていただこうと考えています。大変申し訳ありません」
エティナは頭を下げた。
「え、一緒に?」
「ええ、一緒に」
女性は少し考えたあと、エティナとエドガーをリビングへ案内した。
「どうぞ」
リビングの脇にある小さなテーブルを挟むように2つの椅子が置かれている。
女性は、エドガーとエティナにその椅子に座るよう促した。
「ありがとうございます。素敵なお家ですね。ご家族とお住まいなのですか?」
「ええ、家族は1人だけ。兄がいます」
「お兄さんとお二人で住んでらっしゃるんですね。お名前をお伺いしても?」
「私はチグハグ、兄はジグザグといいます」
チグハグは台所で湯を沸かすと、白いカップに紅茶のティーパックを手際よく入れて湯を注いだ。
「こんなものしかありませんが」
「チグハグさん、ありがとうございます。私はエティナ。こちらの丸メガネがエドガーです」
「エドガー・ラルティーン16歳。コーヒーより紅茶派です!レモンない?」
「お客さんのお家でしょ。我慢して」
チグハグはくすくすと笑うと、台所脇の箱からレモンをとりだして輪切りにしてくれた。
「レモンどうぞ」
「サンキュー、あれ?チグハグさん、何か力仕事とかしてるの?結構筋肉質だねえ」
「そうですか? しがないタイプライターですけれど」
チグハグは首を傾げた。エティナが焦って間に入る。
「あ、ありがとうございます。優しい方ですね、チグハグさんは」
「そんなことないですよ。私は兄のことを恨みながら生きていますから」
チグハグはさらりと怖いことを言ってのける。
エティナは話をそらすために荷物の方を見た。
「こちらの荷物、随分厳重に梱包されていますけど、何が入っているんでしょう」
「さっそく見てみますか?」
チグハグはエティナの方をじぃっと見た。青白い顔が幽霊のようだ。エティナはただならぬ気配に、もしかして兄を殺害するための毒でも入っているのでは?とあらぬ事態を想像してしまう。唇に乾きを感じた彼女は、紅茶を口につける。
「ゆっくりしてからにしましょうか。紅茶美味しいです」
「おいティナー!早く開けようぜー」
エドガーは空気を読まずに煽る。この男は何もわかっていない。
「エドガー、ちょっとこっち来て」
エティナはエドガーにヘッドロックを仕掛けると耳元で囁いた。
「明らかに様子が変でしょう? この荷物、危険なものが入ってるんじゃない?」
「ええー、そうかな。チグハグさんいい人だし大丈夫でしょ」
「いい人は初対面の人にお兄さん恨んでるとか言わないでしょう?多分お兄さんをどーこーする道具が入っているのよ」
「忍者にでもなるのか!?」
「忍者かはわからないけど、きっと刃物とか薬物とか。この家から逃げたほうが良いかも」
「大丈夫だって!最悪でも2対1だからどちらかは生き残るだろ」
「じゃ、そのときはエドガーよろしくね」
「あの。紅茶が冷めてしまいますよ」
チグハグはテーブルの脇に座って2人の様子を見ていた。台所の椅子を持ってきたようだ。
「すみませんいただきます」
エティナは何事もなかったかのように紅茶をすすると、体を強張らせながらチグハグと向き合った。
「それじゃあ荷物を開けましょうか」
チグハグは先ほどと変わって、楽しそうな表情をしている。エティナはチグハグの心意を読み取れずにいた。
「ねえねえチグハグさん、質問。この荷物ってお兄さんをどーこーする道具なの?」
「エドガー!? 何いっちゃってるの!?」
エドガーの質問に一瞬チグハグはぽかんとしたが、すぐに冷静さを取り戻す。
「そうね。ある意味どーこーする道具かもしれないわ」
チグハグは梱包を解いていく。
「この道具があれば、私は兄を許すことが出来るかもしれないの」
彼女の言葉にエティナは冷や汗をかいた。チグハグはやっぱり、お兄さんを殺すつもりだ。
「そう、私は、この道具で!」
包みを無造作に破いていくチグハグ。エティナは目をつぶってチグハグの両手を握った。
「チグハグさん、早まらないで!」
チグハグの手が止まる。
エティナは恐る恐る目を開いた。
頑丈な木箱が開かれ、荷物の中身が露わになっている。
眼前に置かれたそれは、『義手』だった。
「え?」
「これが私が兄を許すための道具です」
チグハグは義手を撫でた。義手からは何本もの線が伸びておりその先に吸盤がついている。
「へえ、節電義手だね。この吸盤を体につけたら、電気信号で義手が動く仕組みかあ」
エドガーは目の前の科学技術の結晶に目を輝かせていた。
「よかったら聞かせてよチグハグさん。どーゆーことなのか」
エドガーには特殊能力がある。
それは出会ってすぐの人たちと、10年来の友人であるかのように話をできることだ。チグハグも例外ではなく、エドガーに促されて昔話をはじめた。
「私達兄妹は22年前、一卵性双生児の双子として生まれました。性別こそ違いますが、周りからは背丈や表情がよく似ていると言われていました。けれど周囲の人達も、私達を10秒も見ればまるで違うことがわかります。兄は右腕がないのですから」
チグハグは目の前の義手へ視線を落とした。
「デロメア・テクニカの人たちは直接的です。右腕がない人に配慮なんて一切しない」
彼女は悔しそうに唇を噛んだ。
「私たちは6年間のフォルクスコール、6年間のギムナジウムを一緒に過ごしました。フォルクスコールでは同じクラスになったこともあります。兄は物知りで。私が道端に咲いている花の名前がわからなくて困っていたときに教えてくれるような人でした。いつも私のことを気にかけてくれる優しい人でした。
だけど兄は、利き手がないから誰よりもものを書くのが遅かった。だけど兄に合わせて授業してくれる先生なんていません。兄は授業についていくことができなくなり、いつしか学校の成績は最低になりました。
スポーツでもそう。兄のほうが走るのは速かったのに、腕がないからまわりから評価されなかった。デロメア・テクニカの人たちは直接的です。片腕しかない兄と遊びたくなかったのでしょう。両腕がないとできないスポーツをみんなで遊んで、兄は横で見ていることしかできないでいました。
デロメア・テクニカでは、一度見捨てられたら、誰からも守ってもらえなくなります。兄をすくい上げてくれる人もおらず、ずっと、何事も最下位の人生を歩むことになりました」
エティナにも、ジグザグの境遇が想像できた。誰からも救ってもらえず、頼る人もおらず、周囲についていけない人生。
「辛い、ですね」
エティナはそれだけを口にした。エドガーは天真爛漫な表情で疑問を呈する。
「チグハグさん、いまになって義手を買ったのはお金がなかったからなのかな? それもジグザグさんが買ったんじゃなく、チグハグさんが買ったのはどうしてなんだろう。俺だったら、闇金で借金してでも義手を買いそうだけどな」
「ええ。それは私も疑問でした」
チグハグは前のめりになる。
「兄はなぜか、自分が隻腕であることを嘆いたりしませんでした。幸せとまで言ったことがあります。私には理解できませんでした。周囲から身体欠損者とのレッテルを貼られることを、苦に感じていないのです。はるか昔、奴隷や犯罪者の身体に刻印された印のことをスティグマと呼んでいたといいます。兄の右腕はまさに私達家族へ烙印されたスティグマです」
チグハグは柳眉を逆立てる。
「もう、やせ我慢なんてしないでほしい。だから私は義手を発注しました」
「ふーん、じゃあ必要かどうかは本人にも聞いたほうが良さそうだね」
「聞くまでもない」
野太い男の声がした方向を、リビングの3人は同時に見た。
そこには隻腕の男が、眉間にしわを寄せて立っていた。
「そんな高そうなもの、さっさと返品してこい!!」
「せっかく頼んであげたんだから使えばいいでしょう!義手なんてつけて、サイボーグって呼ばれるのが嫌なの?身体欠損者って呼ばれるよりよっぽどマシじゃない!」
「勝手に人のことをわかった気になるな!義手なんていらないんだよ」
チグハグとジグザグの喧嘩はヒートアップする。
「悔しかったら、右手で私を殴ってみなさいよ!この義手をつけて!ほら!」
「本当にバカだな、いらないと言ってるのがわからないのか」
「ストーップ!」
2人の間に入ったのはエドガーだ。
「チグハグさんもジグザグさんも、まずは落ち着いて。なんだかまるで違う方を向いて話してるように聞こえるよ」
「誰だお前は。お前に俺達の何が分かる」
ジグザグはすごい剣幕でエドガーに近づく。エドガーはあっけらかんとした表情で続ける。
「俺はエドガー・ラルティーン。話を聴く天才さ。なんとなく、2人の話が噛み合わないのは、チグハグさんの女性には似つかわしくない筋肉質な手が関係していたりするんじゃないかって」
エドガーの言葉を聞いたジグザグは、一度に静かになった。そしてエドガーと肩を組むと、男同士の話があると言ってリビングからでていった。エティナとチグハグは何が起きたかわからず、目を合わせてキョトンとしていた。
エドガーは2階の書斎へ案内された。
「どうして気づいた?」
「紅茶のレモンをもらったときに、違和感があったんだよね。正解?」
「どうやら君には話しておかなくてはならないようだ」
ジグザグは書斎の奥に置かれた椅子に深々と腰掛けた。
「君の想像通り、チグハグの右手は俺の腕だ。2歳の時に俺から妹へ腕を移植した。あの様子だと、チグハグは覚えていないのだろう。恩を仇で返しやがる」
「だねえ、じゃあ義手をつけたらどうかな」
「それで解決する関係に見えるかね?」
「みえない!」
エドガーは笑った。
「ねえ、ジグザグさんはどうしてチグハグさんと歩み寄ろうとしないんだろう」
「歩み寄る?そんな必要があるか。チグハグは自分のことしか考えていないじゃないか」
ジグザグは左の口角だけをあげた。
「あいつが義手を注文したのは、身体欠損者の妹だという、レッテルを払拭したいからだ。俺のことなどなにも考えちゃいない。あいつは俺が身体欠損者だから舐めてるんだよ。救われないよなあ、家族が一番信用できないってのは」
エドガーにもジグザグのやるせなさが伝わってくる。しかし打開策がないこともないだろう。
「ジグザグさんの右手だって伝えれば変わるかもしれないよ」
「今更伝えられるかよ。あいつもそんなこと信じやしない。それに、俺はあいつに恩を売るようなことはしたくないんだよ。俺は、妹の一部になった自分の手が彼女と一緒に成長できていたらそれでいいんだ。妹が何不自由なく過ごせたらそれでいい」
「いいお兄さんだね。俺にもこんなお兄さんがいたらいいのに」
エドガーは鼻をすすった。
「でも、いまチグハグさんは不自由を感じていないかな」
「感じているだろうさ。世間からのレッテル。そんなもん気にせず生きればいいのに、弱いやつだ。俺なんか20年間もまわりに蔑まれて生きてきた。周りの目なんて気にするだけ無駄だってことに気づいたんだろうな。もう慣れたぞ」
「すごい発見だね。ジグザグさんは右手を失って、もっと大切な力を得られたのかもしれない。普通の人はなかなか身に着けられない力だよ。チグハグさんにはまだ備わっていないし、チグハグさんが身につけようと思ったら20年は待たないといけないかも」
「そうだな」
ジグザグは冷静になり、チグハグのことを理解しようという姿勢が生まれた。
「よし決まり。俺もさ、配達の仕事を終わらせて帰らないとヴァリ姉に怒られるんだよね。だから言うよ。雨降って地固まる、さ」
エドガーは笑顔を浮かべると立ち上がって1階に降りていった。ジグザグはそれを止めようとしたが、左手は空を切った。頭を掻いて、彼もしぶしぶ1階へ降りていく。
「ティナ、お待たせー」
「遅い!りょーきてきな何か、が始まったんじゃないかって心配したんだから」
「悪い悪い、ジグザグさんもいい人でさ、ちょっと話し込んじゃったよ」
エドガーは言うとチグハグの方を向いた。
「チグハグさん、例えばアイデアだけど、チグハグさんの右手をジグザグさんに移植して、チグハグさんが義手をつけるっていうのはどうだろう」
「何言ってるの?それこそお金が勿体無いじゃない」
「タダでやってもらえる医者がいたとしたら?」
「そんなのいるわけない」
チグハグは首を振る。エドガーは大きく頷いた。
「わかった。自分の手を与えるのは嫌なんだね。そりゃ嫌だよね。健康な自分の手を、どうして他人にあげなきゃならないんだって思うよね。でもさ、それを実際にやった人がいたんだよ」
エドガーはそれ以上言わなかったが、チグハグははっとして自分の右腕を触る。
「どう・・・して?」
「チグハグさんに不自由なく生きてほしかったんだって」
エドガーが話し終わったと同時に、ジグザグがリビングに降りてきた。
静寂の中で、チグハグとジグザグが視線を交わす。
「私、バカみたいじゃない」
「俺の方がバカだよ」
ジグザグは恥ずかしそうに頭をかく。チグハグはジグザグの側へ走り寄って、彼の大きな胸に顔を埋めた。
「でもな、左手一本あればお前を撫でてあげることが出来るだろ? 俺はそれで十分なんだよ」
ジグザグは顔をクシャクシャにして言った。
それはこれまで言えなかった気持ちだった。
「義手は返品しよう。そのお金でもっとお前の好きなことをやればいいじゃないか」
「わかった。じゃあ」
チグハグは意地悪な猫のような表情で、ジグザグを見上げる。
「私を抱きしめて欲しい。片手でハグなんてルール違反。ギュッと、息が止まりそうになるくらい強く抱きしめて欲しい」
「・・・まったく、困ったやつだな」
ジグザグがリビングのテーブルを見たときには、もう義手はそこになく。
義手を持ったエドガーがジグザグの側へ近づいていた。彼はプロ野球選手が4,6,3のダブルプレーをとるように手際よく義手を装着していく。
この間が2人の緊張感を解いた。
「一気に面白い感じになっちゃったわね」
チグハグがくすくす笑う。エドガーは義手から伸びた吸盤をジグザグに接着しながら言った。
「ま、そのほうが俺達らしいっていうかね。笑いのほうが近づいてくるんだよね。ほらできた!カッコイー。ジグザグさん、左手を動かすように右手を動かしてみて」
ジグザグは義手の方を凝視する。すると義手が少し動き出した。
「おお、凄いな」
ジグザグの義手がモーター音を立てて動き、チグハグの腰に触れた。
「ジグザグさん、セクハラ注意ね。あとはほんとに息の根を止めないように気をつけて」
エドガーのアドバイスに、周囲はどっと湧いた。
結局義手は返品されることなく、ジグザグが今後も使うことに決まった。
エドガーとエティナは、帰りのトラックの中でこんな話をした。
結果として、チグハグの希望が全て叶えられることになったけど、ジグザグとしても、『チグハグが自分自身のレッテルを払拭するためだけに義手を買ったわけではない』と信じることができたのだろう、と。
2人は人間と復元者がいがみ合う世界で、家族だけでも信じ合えることができたら幸せだと、そう笑った。
こちらの作品はアビス・エリュシオンさまから
お題とキャラクター案を頂きました。
ありがとうございました!
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