氷の国の英雄

『価値観の表象と同調要求』こそ国家の支配活動のすべてだ。

少年は、父を刺した。
悪意はない。
無意識だった。
「なぜ、死なない」
父親は少年の額に銃口を突きつけ、引き金を引いていた。
弾は不発。
ゆえに少年は死を逃れ、脇の果物ナイフで父を刺している。
「さあ。あんたが俺を殺そうとしたのと同じさ」

父を刺した少年……ブラエサル・グリードリッヒは身分違いの恋によって生まれた。この少年を我が子のように受け入れたのは、ラプラス国のアレクサンダー王だ。アレクサンダーはブラエサルの名を奪い、「王たるもの、人を疑って生きていかねばならぬ」と説く。

ブラエサルは成長し、ラプラスの騎士となって、大使間交流に招かれ、ハーネスラインという大地を分ける3国の跡継ぎと出会う。陰キャに厳しい金髪のおてんば娘・ラッテ。油断ならないデブ・オクタヴィア。彼らとの出会いがブラエサルを変え、そして3国の未来すら変えていく。これは、氷の国に生まれた少年が、英雄になるまでの物語。

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