max

 邪神ディアボロスが、瘴気を発しながらエレメンシア大陸を縦断する。人々は、黒いオーロラを見た。邪神の発した蟲――それらはすぐに人々を襲い始める。絶望がエレメンシア大陸を支配していった。その目的地は、エレメンシア大陸最西部オルヴェンスワン。アトラスの率いるクレイモア、カリアス・トリーヴァ率いる航空部隊、ディアボロスがこの地を目指して動いていた。

 多くの死が迫っている――そのことを最も強く感じていたのは精神の神セフィロスだった。
『時が来る』
 セフィロスは部下に、古代兵器のチャージを行うことを伝えた。神は古代兵器の頂上に立ち、スイッチを押した。パラボラアンテナが輝きを放ち、古代兵器のゲージが上昇していく。そして照準を、アトラスのいるレバノンへ向けた。

***

 マックスとエルフィの乗るエシュロンは、ディアボロスを目前に捉えていた。彼らは生まれ来る蟲を払いながら、ディアボロスに肉薄する。
「エルフィ、あいつはオルヴェンスワンの神と合流するつもりだ。阻止しないといけない。羽を、羽さえ落とせれば」
 マックスはエシュロンにまたがっていた状態から、エシュロンの背中に両足で立つような状態へと移行する。
「マックス? 危ないよ!」
「エルフィ、もう少し近づいてくれ。あいつに乗る!」

 エルフィは嫌だという想いで顔を歪めながらも、マックスの決意を尊重し、エシュロンをディアボロスに近づけた。マックスは空中を駆け、ディアボロスの足をつかむ。肉がどろりと溶け、マックスは落ちそうになるが、その下から表れた骨をつかんで体勢を立てなおし、ディアボロスのふくらはぎに上陸する。
 ディアボロスの背中からは、どんどんと見たことのない蟲が生まれていた。異臭も辺りを包んでいく。マックスはそれにもかまわず、瘴気を避けながら、ディアボロスの背中を駆け抜けた。

「落としてみせる!」
 マックスは右手のブレイブソウルを、ディアボロスの左の羽の付け根――広背筋に突きつける。紫色の液体がわずかに飛び出た。ディアボロスは3つある首のうち1つを、マックスの方へ向けた。そして口から、巨大な黒い高熱の玉を吐き出した。マックスはそれを奇跡的な反射神経でよけると、後方を振り返った。高熱の玉はエレメンシアの大地に到達し、巨大な火柱をあげた。

「気づいたって事は、少しはダメージあるってことだよな」
 マックスは再び、広背筋を斬りつけた。ディアボロスは大きく左に傾く。マックスはブレイブソウルを刺して、振り落とされないように耐えた。
『小賢しい真似をするなよ、人間』
 ディアボロスは羽を大きく羽ばたかせた。マックスはその勢いで吹き飛んでいく。エルフィは――ずっとマックスの姿を追っていたエルフィだからこそ――空中に放たれたマックスに気づいていた。彼女はエシュロンを操り、マックスを、エシュロンの背中で優しくキャッチした。ディアボロスはオルヴェンスワンへとスピードを上げていく。マックスとエルフィもそれを追う。
「くそう、間に合わない!」

 ディアボロスの連れた黒いオーロラが、オルヴェンスワンでも観測できるようになった頃、セフィロスは空に向かって呟いた。
『来たか、ディアボロス』
『久しぶりだな、セフィロス』
 2神の間にはまだ距離はあったが、念力によって彼らは会話が出来た。
『他の6神はやられたようだな。だが、この時代の人間は大した技術も持っていない。我々さえいればこの世界の人間は全て滅ぼせるだろう』
『そうだな、ディアボロス。この世界の人間では、私たちは倒せないだろう』
 セフィロスは手元のスイッチに指をのばす。
『だから私がお前を滅ぼす』
『なんだと?』
 セフィロスは手元のボタンを押した。古代兵器から放たれた光はレバノンの方向――その線上にいるディアボロスに直撃し、爆ぜた。
『ク・・・ヒカリ!? ナゼダ、セフィロス』
『私はもう、人間に関わるのに飽いてしまったのだよ、ディアボロス。彼らは、我々の干渉する価値のある存在ではない』
『バカ、ナ・・・!』

 巨大な光の玉となって、ディアボロスはこの世から消滅した。



《第3部マクシード・ライゼンハルト目次》
第1項 マクシード・ライゼンハルト
第2項 エンドラル・パルス
第3項 クラリス・レイヤー
第4項 エドガー・ラルティーン
第5項 将軍ルドルフ
第6項 復元者スヴィーナ
第7項 アトラス

第8項 エルフィ
第9項 ヴァルマサルサ
第10項 レイブン
第11項 人造の神
第12項 レイ
第13項 龍王プロメテウス
第14項 アルバ・ベータ
第15項 狂人達

第16項 グルジア侵攻
第17項 会談
第18項 停戦友好条約
第19項 72(セブンティツー)
第20項 1人の人間
第21項 決裂
第22項 プロフェッサーPO
第23項 エッジ
第24項 神の光

第25項 戦場の男女
第26項 カリアス・トリーヴァ
第27項 儀式
第28項 邪神ディアボロス
第29項 還元者
第30項 光←いまここ
第31項 セフィロス
エピローグ3

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

ピックアップ記事

  1. 59736578-19f0-4460-a22b-36c70aa80895
    プロのイラストレーターの挿絵であなたの作品を一層魅力的にします! プロのシナリオライターがあな…
  2. アイン2
    こんにちは。 橋本橙佳です。 このエントリでは橋本橙佳が様々なクリエイタ…
  3. gaiden1
    これは、秘匿とされた物語。 &nb…

Twitter でフォロー

ページ上部へ戻る
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。